「数年前に買ったマンションが、予想以上に値上がりしている。今売れば利益が出るけれど、税金で半分くらい持っていかれるのではないか?」 「3000万円まで無税と聞いたけれど、自分にも当てはまるのだろうか」 「結局、次の住み替え先にいくら持っていけるのか、正確な数字が知りたい」
現在、中央区や港区、江東区の湾岸エリアでマンション売却を検討されている方から、こうした切実なご相談をいただく機会が非常に増えています。2026年現在、不動産価格の高騰により、一般の会社員世帯でも売却益(譲渡所得)が数千万円単位で発生するケースは珍しくありません。
しかし、マンション売却におけるお金のルールは非常に複雑です。仲介手数料などの「諸費用」に加え、利益に対してかかる「税金」、そしてそれらを大幅に軽減できる「特例」の存在。さらに、新居での「住宅ローン控除」との兼ね合いまで含めると、プロの視点なしに正確な収支を算出することは困難です。
この記事では、実務経験10年の瀬戸が、マンション売却に伴う税金と費用の全貌を解説します。特に影響の大きい「3000万円特別控除」の使い方や、2026年最新のシミュレーション、そして「あえて特例を使わないほうが得をするケース」という現場ならではの視点まで、包み隠さずお伝えします。
まずは現在の資産価値を知ることから始めませんか?最新の成約事例から「手残り」を試算します。
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マンション売却の「手残り」はいくら?税金と費用の全体像
マンションを売却した際、通帳に振り込まれた金額がそのままあなたの利益になるわけではありません。売却代金から、さまざまな支出を差し引いた金額こそが、あなたが次に使える「真の手残り(キャッシュ)」となります。

手残り金額を算出するための基本式は、以下の通りです。 手残り金額 = 売却価格 − 住宅ローン残債 − 諸費用 − 譲渡所得税
まず意識すべきは、売却代金の多くは「住宅ローンの完済」に充てられるという点です。ローンを完済しなければ抵当権を抹消できず、買主へ所有権を移転することができないため、これは必須の支出となります。
次に「諸費用」です。これには仲介手数料や印紙税、登記費用などが含まれ、概ね売却価格の3.5%から4%程度を見込んでおく必要があります。例えば8,000万円で売却する場合、300万円前後の諸費用が発生する計算です。
そして、最も変動幅が大きく、かつ注意が必要なのが「譲渡所得税」です。これは物件を売って得た「利益(譲渡益)」に対して課せられる税金です。購入時よりも高く売れた場合にのみ発生しますが、近年の湾岸エリアのように価格が高騰している地域では、この税額が数百万円、時には一千万円を超えることもあります。
「手残りがいくらになるか」を把握せずに住み替えの予算を組んでしまうと、新居の契約直前で資金不足に気づくという最悪の事態になりかねません。特に、現在江東区内の賃貸にお住まいで、資産価値を重視して湾岸エリアの中古タワーマンションへの住み替えを検討されている方は、この収支シミュレーションを最も慎重に行う必要があります。
必ず発生する「諸費用」の正体|仲介手数料から印紙税まで
マンション売却における諸費用は、売却代金の中から「実費」として引かれるものです。税金のように後から納めるのではなく、決済時にその場で精算されるものが多いため、現金を持ち出す必要は原則ありませんが、手残り額に直結します。
諸費用の中で最大のウェイトを占めるのが「仲介手数料」です。宅地建物取引業法により上限額が定められており、「(売却価格の3% + 6万円) + 消費税」という計算式が一般的です。1億円の物件であれば、約336万円(税込)となります。この手数料には、物件の調査、広告活動、契約書の作成、そして何より重要な「価格交渉とトラブルの未然防止」に対する対価が含まれています。支払いのタイミングは、契約時に半分、引き渡し時に半分、あるいは引き渡し時に一括で支払うのが一般的です。
次に「印紙税」です。これは売買契約書に貼付する印紙代です。2026年3月末までの間は軽減措置が適用されており、例えば契約金額が5,000万円超1億円以下の場合は3万円(軽減前は6万円)となります。この軽減措置はこれまでも延長されてきましたが、常に最新の税制を確認しておく必要があります。
さらに「登記費用(抵当権抹消登記)」が必要です。住宅ローンが残っている物件を売る場合、銀行が設定している抵当権を外すための費用です。司法書士への報酬と登録免許税を合わせて、1物件あたり2万円から3万円程度が相場です。
その他、引っ越し代やハウスクリーニング代、人によっては不用品の処分費用なども発生します。これらの諸費用を合計すると、売買価格の4%程度を「見えないコスト」として見積もっておくのがプロの視点での安全な資金計画です。
利益が出たらかかる「譲渡所得税」の仕組みと計算式
次に、最も多くの方が不安を感じる「譲渡所得税」について解説します。この税金は、給与所得などとは切り離して計算する「分離課税」という方式がとられます。
計算の基本となるのは「譲渡所得(利益)」です。 譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)
「譲渡価額」は売却価格のこと。「譲渡費用」は先ほど説明した仲介手数料や印紙税です。そして最も重要なのが「取得費」です。これは、そのマンションをいくらで買ったかという金額から、所有期間中の建物の値下がり分(減価償却費)を差し引いたものです。
税率は、物件を所有していた期間によって大きく2つに分かれます。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判断されます。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):税率39.63%
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):税率20.315%
※いずれも所得税・住民税・復興特別所得税の合計
ご覧の通り、税率は倍近く違います。例えば2,000万円の利益が出た場合、所有期間が5年以下なら約792万円、5年超なら約406万円の税金がかかります。中央区や港区、江東区の物件を5年未満の短期で売却検討されている方は、この税率の差が手残りに与えるインパクトを正しく認識しなければなりません。
ただし、この多額の税金をゼロ、あるいは大幅に軽減できるのが、次に説明する「特例」です。
【スタートライン調べ】湾岸エリア物件の「譲渡所得」発生トレンドと事例
ここで、スタートラインの現場で実際に起きている、2026年時点の一次情報を共有します。

スタートラインが2025年度から2026年4月にかけて、中央区・港区・江東区の湾岸エリアで仲介した事例を調査したところ、驚くべき結果が出ています。実に売却依頼をいただいたお客様の約8割以上に、帳簿上の「譲渡所得(利益)」が発生していました。
特に2010年代半ばから後半にかけて分譲されたタワーマンションでは、購入価格よりも売却価格が2,000万円から5,000万円以上も上回っているケースが常態化しています。これにより、多くの方が「譲渡所得税」の課税対象となっているのが現状です。
私が担当したあるお客様(40代・会社員)の例を紹介します。約8年前に豊洲エリアで7,500万円で購入されたマンションが、1億1,000万円で成約しました。単純計算で3,500万円のプラスです。この方は「3000万円控除があるから税金はかからないだろう」と考えていらっしゃいましたが、実際には仲介手数料や当時の取得費、減価償却を精密に計算した結果、譲渡所得が3,200万円となり、特例を使わなければ約650万円の税金が発生する計算でした。
さらに注意が必要なのが「取得費が不明」なケースです。相続で受け継いだ物件や、昔すぎて契約書を紛失してしまった場合、税務上のルールでは売却価格の5%を取得費として計算することになります。仮に1億円で売れた物件の取得費が5%(500万円)とみなされると、9,500万円の利益があったものとして、約1,900万円もの税金が課せられる可能性があるのです。
スタートラインでは、こうした契約書の紛失トラブルに対しても、当時のパンフレットや通帳の記録、住宅ローンの金銭消費貸借契約書などから合理的な取得費を導き出すサポートを提携税理士と連携して行っています。
湾岸エリアのように価格変動が激しい地域では、一般的な計算式だけでは正確な手残りが分かりません。
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※現在のローン残債とのバランスも踏まえ、瀬戸が個別事情に合わせたシミュレーションを作成します。
最強の節税策「3000万円特別控除」を使いこなす条件
多額の譲渡所得税を回避するための最大の武器が「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」です。これは、自分が住んでいた家を売った場合、所有期間に関わらず、利益から最大3,000万円までを差し引くことができる制度です。
つまり、譲渡益が3,000万円以内であれば、税金はかかりません。先ほどの事例の方も、この特例を正しく適用することで、数百万円の税金をゼロにすることができました。
しかし、この特例には「現場でよくある落とし穴」がいくつか存在します。
まず、「居住用(マイホーム)」であることの実態が厳しく問われます。住民票を移しているだけでは不十分です。例えば、投資用として貸し出していた期間がある場合や、すでに新居へ引っ越してから3年以上が経過している場合は適用されません。また、別荘や一時的な入居とみなされるケースも否認されるリスクがあります。税務署は公共料金の使用履歴などを通じて「本当に生活の拠点であったか」をチェックする視点を持っています。
次に、この特例を受けるためには、たとえ税額がゼロになる場合でも、必ず「確定申告」を行わなければなりません。申告を忘れると特例は適用されず、後から多額の納税通知とペナルティ(無申告加算税など)が届くことになります。
さらに、夫婦連名で所有している(共有持分がある)場合は、それぞれが3,000万円ずつ、合計で最大6,000万円の控除を受けることが可能です。これはパワーカップルが多い湾岸エリアのマンション売却において、非常に強力なメリットとなります。
3000万円特別控除を「あえて使わない」ほうがトクをするケース
ここで、多くの方が陥る最大の盲点を指摘しなければなりません。それは「3000万円控除を使うことが、必ずしも正解ではない」という事実です。

不動産会社の営業スタッフの多くは「税金がゼロになりますよ!」と特例の利用を勧めますが、実は住み替えにおいて、この特例には致命的な制約があります。それは、「新居での住宅ローン控除と併用できない」というルールです。
3000万円特別控除を利用して売却した年と、その前後2年(計5年間)は、新しく購入した家で住宅ローン控除を受けることができません。
ここが損得の分岐点です。2026年現在の税制と金利環境を前提に考えると、以下のような判断基準が生まれます。
- 売却益が大きく、譲渡所得税が500万円以上かかる場合: 3000万円控除を優先し、目先の税金をゼロにするほうがキャッシュフロー上は有利になる可能性が高いです。
- 売却益が少なく、譲渡所得税が100万円程度で済む場合: 特例を使わずにあえて税金を払い、新居で13年間にわたって最大数百万円の住宅ローン控除を受けるほうが、トータルでの手残りが多くなるケースが多々あります。
- 新居のローン借入額が大きい場合: 特に1億円規模のローンを組んで買い替える場合、住宅ローン控除による還付額は非常に大きくなります。この場合、売却時の3,000万円控除を「捨てる」判断のほうが合理的です。
「どちらがトクか」は、あなたの今の年収、売却益の額、そして新居のローン計画を並べて、緻密なシミュレーションを行わなければ答えは出ません。私はお客様に対し、単に税金を安くする提案ではなく、10年、15年先を見据えた「生涯収支の最大化」の観点からアドバイスを差し上げるようにしています。
この判断を誤ると、後から「数百万円損をした」と気づいても取り返しがつきません。どちらを選ぶべきか、判断に迷われたら、ぜひ私たちプロの知見を活用してください。
【まとめ】後悔しない売却のために|まずは「正確な試算」から
マンション売却における税金と費用の話は、知れば知るほど奥が深く、同時に大きな金額が動くことがお分かりいただけたかと思います。
2026年のマンション市場は、依然として高水準で推移していますが、金利の動向や税制の改正など、不透明な要素も増えています。このような環境下で住み替えを成功させる鍵は、根拠のない楽観や不安を捨て、徹底的に「数字」を直視することにあります。
「手残り金額が正確に分かれば、新居の予算をあと500万円上げられたのに」 「特例の選択を間違えなければ、家族の教育資金をこれほど切り崩さずに済んだのに」
そんな後悔をしてほしくありません。税金や諸費用の知識は、あなたの資産を守るための防衛策であり、より良い未来を築くための武器です。



















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