中古マンション価格は今後どうなる?2026年の見通しと買い時の考え方

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柏木健一購入ガイド担当ライター/ファイナンシャルプランナー
FP資格を持ち、自身もマンション購入を経験した立場から、住宅ローンや資金計画を数字ベースで丁寧に解説しています。「長期で考える」視点を大切に、読者の意思決定をサポートすることを心がけています。早朝ランニングとスペシャルティコーヒーが日課の、数字好きなライターです。

中古マンションの価格は、ここ数年「高い状態が続いている」と感じる方が多いのではないでしょうか。実際、首都圏の中古マンション成約価格は2025年度に過去最高を更新しており、単価・価格ともに上昇基調が続いています。REINSの2025年度データでは、首都圏中古マンションの成約価格は5,322万円、1㎡あたり単価は84.63万円となり、いずれも過去最高でした。

一方で、2026年も同じペースで上がり続けるとは限りません。金利の動きや新築マンションの供給、エリアごとの需給差によって、価格の伸び方には差が出やすくなっています。2025年12月には日本銀行が政策金利を0.75%程度へ引き上げており、住宅ローン環境にも変化が出やすい局面です。

この記事では、2026年時点の最新データをもとに、中古マンション価格の今後の見通しと、買い時を判断するポイントを整理して解説します。結論から知りたい方に向けて先にお伝えすると、2026年の中古マンション価格は首都圏全体で急落を前提に考える局面ではなく、条件の良い物件は底堅さが続く一方、物件ごとの差がより大きくなりやすいと考えられます。これは、首都圏中古市場がなお高水準で推移していることに加え、国土交通省の不動産価格指数でもマンション価格の上昇基調が確認できるためです。

首都圏の中古マンション相場は、全体平均だけでは判断しにくくなっています。気になるエリアや予算帯がある場合は、相場感と物件条件をあわせて整理すると判断しやすくなります。
まだ購入時期が固まっていなくても、情報整理の段階から相談できます。


中古マンション価格は今後どうなる?2026年の結論

2026年の中古マンション価格は、首都圏全体で見ると大きく崩れる可能性は現時点では高くなく、上昇ペースは鈍化しつつも底堅く推移する可能性が高いと考えられます。特に、駅距離が短い物件、都心アクセスが良い物件、管理状態が良い物件は需要を集めやすく、相場を維持しやすい傾向があります。こうした見方の背景には、2025年度の首都圏中古マンション成約件数が49,314件で過去最高となり、成約価格と㎡単価もそろって過去最高だったことがあります。

一方で、すべての中古マンションが同じように上がるわけではありません。REINSの資料でも、地域別には上昇の強弱があり、神奈川県の一部地域では東京都区部ほどの伸びではないことが示されています。つまり、2026年は「中古マンション全体が一律に上がる時代」というより、立地・築年数・管理・広さ・資産性によって評価が分かれやすい局面と見るほうが実態に近いでしょう。

また、国土交通省の不動産価格指数でも、マンション(区分所有)は2025年12月時点で225.1となっており、全国ベースでも高い水準が続いています。南関東圏でもマンション指数は219.8、東京都は234.8で、直近でも高値圏にあることが確認できます。


2025年までの首都圏中古マンション市況

まずは、2026年の見通しを考える前提として、直近までの市況を押さえておきましょう。

REINSの2025年度データによると、首都圏中古マンション市場は次のような状況でした。

  • 成約件数:49,314件
  • 前年度比:24.1%増
  • 成約㎡単価:84.63万円
  • 前年度比:8.4%上昇
  • 成約価格:5,322万円
  • 前年度比:7.8%上昇

この数字からわかるのは、価格だけでなく、実際に取引が成立している件数も高水準だということです。価格が上がっていても取引が大きく落ち込んでいれば慎重に見る必要がありますが、現時点では中古マンション市場に一定の需要が残っていると読み取れます。

加えて、新規登録物件の㎡単価は101.77万円、新規登録価格は5,899万円となっており、売り出し価格も高い水準にあります。つまり、市場全体として「安くなったから買いやすい」というより、高値圏の中で条件の良い物件をどう見極めるかが大切な局面です。

なお、平均築年数は成約物件で26.81年となっており、流通する物件の経年化も進んでいます。価格だけを見て判断するのではなく、修繕状況や管理体制、耐震性など、建物の中身まで見る重要性は今後さらに高まるといえます。


2026年に価格へ影響する主な要因

金利上昇は価格の伸びを抑える要因になりやすい

2025年12月、日本銀行は無担保コールO/N物の誘導目標を0.75%程度へ引き上げました。植田総裁の会見でも、見通しが実現していくなら政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく考えが示されています。

政策金利の上昇は、一般に住宅ローン金利の上昇圧力につながります。とくに、毎月返済額を重視する購入検討者にとっては、借入可能額の低下や予算の見直しにつながるため、中古マンション価格の上昇ペースを抑える方向に働きやすいです。

ただし、金利が上がるから直ちに価格が下がる、という単純な見方はしにくい面もあります。日本銀行は同時に、実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持されると説明しています。つまり、2026年は需要を一気に冷やす局面というより、買える層・選ばれる物件が絞られやすくなる局面として捉えるのが自然です。

新築供給が少ないと中古需要は下支えされやすい

不動産経済研究所によると、2025年の首都圏新築分譲マンション発売戸数は2万1,962戸で、1973年以降で最少を更新しました。一方で、2026年の供給見込みは2万3,000戸とされています。増加見込みではあるものの、供給水準としては依然として限られています。

新築マンションの供給が多くない状態では、新築を検討していた層の一部が中古へ流れやすくなります。さらに、2025年の首都圏新築マンションの平均価格は9,182万円、東京23区では1億3,613万円でした。新築価格が高い状態が続けば、予算面から中古を現実的な選択肢とする人は今後も一定数見込まれるでしょう。

エリア差・物件差がこれまで以上に大きくなる

2025年度のREINS資料では、東京都区部を中心に上昇が目立つ一方、地域ごとに温度差があります。国土交通省の不動産価格指数でも、東京都のマンション指数234.8に対し、南関東圏全体は219.8で、首都圏内でも一律ではありません。

このため、2026年は「首都圏だから安心」「中古だから割安」といった大きなくくりより、駅距離、沿線、周辺再開発、管理状態、専有面積、築年数まで含めて個別に見ていくことが重要です。これはデータからの推論ですが、市場が高値圏にあるほど、購入側はより選別的になりやすいためです。


値上がりしやすい物件・伸びにくい物件の違い

2026年に向けて、価格が底堅くなりやすい物件には共通点があります。

値上がりしやすい、または価格が維持されやすい物件

  • 駅徒歩10分以内
  • 都心や主要業務地へのアクセスが良い
  • 築年数の割に管理状態が良い
  • 修繕積立金や長期修繕計画が比較的安定している
  • 住戸の広さや間取りが現在のニーズに合っている
  • 再開発や生活利便性の向上が見込めるエリアにある

こうした物件は、相場が落ち着く局面でも比較的需要が残りやすい傾向があります。特に、首都圏の中古成約件数が高水準で推移している中では、購入検討者が「どれでも買う」のではなく、条件の整った物件を優先して選ぶためです。

伸びにくい、または慎重に見たい物件

  • 駅から遠い
  • 修繕履歴や管理状態が見えにくい
  • 将来的な修繕負担が重くなりそう
  • 面積が極端に狭い、または使いにくい間取り
  • エリアの中古在庫が増えやすい
  • 周辺相場と比べて価格が先行しすぎている

もちろん、これらに当てはまると必ず下がるわけではありません。ただ、2026年は金利や予算制約の影響で、購入者がより現実的な条件で比較する傾向が強まりやすいため、価格の維持力には差が出やすいでしょう。これは最新の市場統計と金利環境からみた実務的な見方です。


2026年は買い時なのか?判断ポイント

「2026年は買い時ですか」と聞かれたとき、誰にでも同じ答えになるわけではありません。買い時かどうかは、相場だけでなく、家計やライフプラン、希望条件によって変わります。

ただし、判断の基準としては次の3点が大切です。

1. 相場の天井や底を当てにしすぎない

中古マンション価格は高値圏ですが、現時点で首都圏全体が大きく崩れているデータは確認されていません。むしろ成約件数は増加し、価格指数も高い水準にあります。相場のピークを正確に見極めてから動こうとすると、結果的に希望条件の物件を逃してしまうこともあります。

2. 月々の返済額だけでなく、総返済額も見る

政策金利の上昇局面では、住宅ローンの借り方によって将来負担が変わりやすくなります。価格だけに注目するのではなく、頭金、借入期間、変動・固定の選択まで含めて比較したいところです。特に2026年は、物件価格のわずかな違いよりも、金利条件の違いが総支払額に影響しやすい可能性があります。

3. 希望エリアで「買える物件がある時期」を逃さない

買い時を考えるときは、相場だけでなく、希望条件に合う在庫が出ているかも重要です。エリアや価格帯によっては、好条件の中古マンションは出る数自体が限られます。新築供給が多くない状況では、中古の良質な在庫は引き続き注目されやすいため、待てば必ず条件が良くなるとは限りません。

相場が高いかどうかだけでは、買い時は判断しきれません。希望エリア・予算・返済計画を並べて見ると、今動くべきか、少し待つべきかが整理しやすくなります。
無理な購入を前提にせず、条件整理から相談できます。


購入前に確認したい注意点

2026年に中古マンションを検討するなら、価格の先行きだけでなく、購入後の安心感にも目を向けたいところです。

管理状態と修繕計画を確認する

中古マンションは、同じ築年数でも管理状況によって住み心地や将来負担が変わります。修繕積立金が極端に低すぎないか、長期修繕計画があるか、共用部の管理が行き届いているかは、価格以上に重要なポイントです。これは市場全体の統計というより、物件選びの実務上の重要点です。

売り出し価格ではなく成約相場を意識する

2025年度の首都圏では、新規登録価格5,899万円に対し、成約価格は5,322万円でした。売り出し価格と実際の成約価格には差があるため、ポータルサイトの掲載価格だけで判断せず、成約ベースの相場感をつかむことが大切です。

予算の上限いっぱいで決めない

金利環境が変わりやすい時期は、少し余裕を持った返済計画が安心です。購入時の諸費用、入居後の修繕積立金や管理費、将来の金利変動も見込んで資金計画を立てると、購入後の負担感を抑えやすくなります。これは制度や統計というより、2026年の金利局面を踏まえた実務的な考え方です。


迷ったときはエリア相場と条件整理から始めよう

中古マンション価格の今後を予想するとき、ニュースや相場データだけで結論を出すのは簡単ではありません。2026年の首都圏市場は、過去最高水準の価格が続く一方で、金利上昇や物件選別の強まりによって、価格の伸び方に差が出やすい局面です。2025年度の首都圏中古マンション成約価格は5,322万円、㎡単価は84.63万円で過去最高を更新しており、急落を前提に待つよりも、自分に合う条件で判断する視点が大切だといえます。

そのため、買い時を考えるときは「今後上がるか下がるか」だけでなく、次の3つを整理してみてください。

  • 希望エリアの実際の成約相場
  • 毎月無理のない返済額
  • 譲れない条件と妥協できる条件

この3つが見えてくると、相場に振り回されにくくなります。価格の先行きは誰にも断定できませんが、条件整理ができていれば、納得感のある判断はしやすくなります。


まとめ

2026年の中古マンション価格は、首都圏全体で急落を前提に考える局面ではなく、引き続き底堅さが意識されやすい状況です。実際に、2025年度の首都圏中古マンション成約価格と㎡単価は過去最高を更新しており、国土交通省の価格指数でもマンション価格は高い水準が続いています。

ただし、今後は金利の動きや物件ごとの差がより重要になります。2025年12月の日本銀行の利上げや、新築供給の限定的な状況を踏まえると、2026年は「ただ待てば安くなる」と考えるより、希望条件に合う物件を見極める姿勢が大切です。

買い時に迷ったときは、相場の予想だけで決めず、エリア相場、返済計画、物件条件をセットで確認してみてください。そうすることで、価格の上下に振り回されにくく、自分に合った住まい選びにつながります。

希望エリアの相場感や、今の予算で選べる物件を整理したい方は、条件整理から相談してみるのがおすすめです。情報収集の段階でも、相場と返済計画をあわせて確認しておくと判断しやすくなります。
まだ具体的に購入時期が決まっていない場合でも相談可能です。まずは希望条件に近い相場感を把握したい、という段階からでも問題ありません。