親しい人やお付き合いのある企業の移転を祝う花が、移転の祝い花です。新天地でのますますの活躍と発展を祈る気持ちを花に託し、贈ります。移転を祝う花であり、色合いも雰囲気も華やかなものが好まれます。
ただ、いざ祝い花を贈るとなると、マナーや相場、贈り方など、わからないことが多いかもしれません。贈り先に失礼のないように、ふさわしい花を贈るのは、案外と難しいミッションです。
今回は、移転を祝うお花の贈り方を、手順から注意点まで詳しく解説します。よくあるトラブルと回避策もまとめました。今後のお付き合いをより良いものにできる、そんな祝い花を贈る際の参考にしてください。
移転の祝い花を贈る手順とマナー

はじめに、移転を祝うお花の贈り方をまとめました。祝い花が先方に届くまでの流れをイメージしながら、手順をチェックしていきましょう。
移転の祝い花を贈る手順
移転の祝い花を贈る手順は、以下のとおりです。
贈り先の住所、宛名を確認する祝い花の予算を決めるフラワーショップに発注する贈り先に配送日・配送時間を伝え、受取を依頼する(任意) |
贈り先の住所、宛名の確認
祝い花の贈り先、つまり受取主の住所と宛名は、間違いのないよう入念に確認しましょう。贈り先は、移転後の新住所です。
漢字も正しく把握します。「わたなべ」さん・「さいとう」さんなど、多様な漢字表記がある場合は、細心の注意を払ってください。
以降で解説しますが、祝い花には相手の名前を記した「立札」を添えます。立札の漢字も間違えずに記すよう気をつけてください。
移転を祝う花の相場
移転を祝う祝い花には、相場があります。
祝い花は、同時に贈られた花を一緒に飾るのが一般的。相場からかけ離れた予算の花を贈ってしまうと、周囲の花とつりあわなくなってしまいます。
移転を祝う花の相場は、贈り主と贈り先によって変わります。後ほど詳しく解説しますので、続きをご覧ください。
フラワーショップに発注する
フラワーショップに発注する際は、移転の祝い花であることを伝えましょう。希望の色合いや雰囲気、入れてほしい花などがあれば、同時に伝えます。
また、移転の祝い花といっても、さまざまな形があります。予算と贈り先の都合を考慮し、最適な形態を指定してください。
<祝い花の形>
スタンド | 自立するスタンドにアレンジメントを載せる。高さがあり、華やかな印象。 |
アレンジメント | 器に吸水性スポンジを入れ、花を生けるスタイル。小ぶりで、そのまま置いて飾れる。 |
鉢植え | 観葉植物や胡蝶蘭に使われる。移転祝いの季節が終わっても、末永く楽しめる。 |
バルーンフラワー | 風船とともにアレンジした、新しいタイプの祝い花。カジュアルな雰囲気が生まれる。 |
配送のタイミング
移転祝いの花は、配送のタイミングも重要です。基本的に、「移転完了の前日以降、2週間以内」に届くように手配します。祝い花が届く旨は、基本的に受け取り側への連絡は不要です。ただ、受け取り側との関係性を踏まえ、一報入れるのが望ましい場合は、連絡しておくとベターです。
移転日の前々日より前は、引っ越し作業でバタついている可能性があります。また、早く送りすぎると、移転日までに花が弱ってしまうかもしれません。移転の前日、もしくは当日に届くように日時を指定しましょう。
【要注意】業務縮小に伴う移転には、花を贈らない
祝い花は、文字通り贈り先の移転を「祝う」気持ちが込められたものです。
業務縮小など、ネガティブな理由による移転にはふさわしくありません。経営上の課題に伴う移転の場合は、祝い花を贈らないようにしましょう。
移転の理由が不明瞭なら、関係先にそれとなく聞いてみてください。万一、事業縮小にともなう移転に祝い花を贈ってしまうと、先方から不信感を抱かれ、今後の取引に影響を与える展開も考えられます。
移転を祝う花の相場

移転祝いの花の相場を見てみましょう。贈り主が個人の場合と、法人の場合とに分けて解説します。
贈り主が個人の場合
贈り主が個人の移転祝いは、5,000円~20,000円程度が相場です。
個人が親族に贈る花は、見映えがする10,000円~20,000円程度を考えると良いでしょう。知人や友人の移転祝いなら、5,000円~10,000円が相場となります。
希望を聞ける関係性なら、好みをぜひヒアリングしてください。好みの色や雰囲気に合わせて、アレンジメントを作ってもらえます。
贈り主が法人の場合
法人からの祝い花は、10,000円~50,000円程度が相場です。贈り先も法人のケースが多くなり、オフィスや店舗に映える大ぶりな祝い花がふさわしくなります。
祝い花は、予算と大きさが比例します。自社と贈り先の関係性を踏まえ、予算を決定しましょう。予算によって作れる祝い花の大きさがわからない場合は、フラワーショップに率直に相談してみてください。
一般的な取引先なら、10,000円~30,000円程度、大切な取引先なら30,000円~50,000円が目安です。
移転の祝い花には、立札をつける

法人から法人への祝い花には、立札をつけるのがマナーです。
立札には移転を祝う主旨と、贈り主の名前が書かれます。贈り先との関係を示すものでもあり、法人同士のお付き合いがあることをアピールできます。
立札は、祝い花をつくるフラワーショップが作成します。必要な情報を漏れなく伝えてください。
立札に書く内容
立札に書く内容は、次の3つです。
- 移転を祝うメッセージ
- 贈り主の所属と名前
- 贈り先の会社名、代表者の名前
移転を祝うメッセージは、赤文字で記します。「移転祝」「御祝移転」などが一般的。困ったら、「御祝」の文字が万能で、おすすめです。
贈り主と送り先の会社名や名前は、間違いないように確認します。アルファベットの綴り、旧字体などにも気をつけてください。書けるスペースが小さい場合は、贈り主だけの記載でも問題ありません。
立札の種類
立札は、木製・紙製があります。紙製のボードに木目調のシートを貼り付けた、タックボードと呼ばれるタイプも見られます。
立札の素材は、祝い花の大きさに合わせて選ばれます。アレンジメントなら紙製、ある程度の大きさになると木製やタックボードが使われます。
立札の種類の剪定は、フラワーショップに一任して構いません。こだわりがある場合は、遠慮なく伝えましょう。
移転祝いの定番・おすすめの花

移転祝いにふさわしい、定番の花やおすすめの花を紹介します。贈り先に喜ばれる祝い花選びのヒントにしてください。
定番の祝い花「胡蝶蘭」
祝い花の定番といえば、胡蝶蘭です。花粉や香りが少ないこと、また凛とした佇まいと華やかさで、いまもお祝いに欠かせない花となっています。鉢で届くため、メンテナンスすれば数か月は美しい状態を維持できます。
胡蝶蘭は、茎の本数によってグレードと予算が変わります。個人のお祝いなら、3本立てが良いでしょう。法人の祝い花なら、5本から7本の胡蝶蘭が適しています。予算は、3本立ちで10,000円~、5本立ちが30,000円~、7本立ちは50,000円~が目安です。
おすすめの祝い花
華やかさが欲しい祝い花には、ガーベラやラナンキュラスを入れてみてください。何層にも重なった花びらが、鮮やかに咲き誇ります。
花言葉から選ぶ方法もあります。おすすめの花材と花言葉の例を、まとめました。
スイートピー | 門出 |
トルコキキョウ | 希望 |
タイサンボク | 前途洋々 |
青いバラ | 不可能を成し遂げる |
ストレリチア | 輝かしい未来 |
カスミソウ | 感謝 |
サラサドウダン | 明るい未来 |
注意!移転の祝い花にふさわしくない種類
移転祝いに、「赤」は不適切とされます。赤は、火事を連想させるから、というのが理由のようです。科学的な根拠はないものの、昔からのしきたりでもあり、赤色の花やラッピングは避けたほうが賢明です。
ただし、贈り主のブランドカラーだったり、先方からの希望だったりする場合は、赤を使っても問題ないとされます。
花粉が多い花や香りが強い花は、苦手とする人もいるため、注意してください。
実は困る人も…?祝い花にまつわるトラブル例

「大きな声ではいえないけれど…」と前置きした、祝い花に関する困りごとやトラブルも起きています。例をいくつか紹介しましょう。
置き場所がない!
たとえば、置き場所の問題。贈り主が「大きい方が見映えするから」と、大きなスタンドを贈ったものの、受け取り側にスタンドを置くだけのスペースがないというケースです。
また、移転当日や移転セレモニー中に祝い花が届き、受取側の進行の邪魔になった、という例もあります。
枯れたあとの処分が大変!
生の花が枯れた後の処分も、受け取り側が担います。スタンドの片付けも、重労働。鉢植えなら、メンテナンスを続けなければなりません。「胡蝶蘭をたくさんもらったが、管理しきれない」という、嬉しいような悲鳴もあるようです。
祝い花は、お祝いの気持ちを届けます。受け取り側が心から喜んでくれるような贈り方のアイデアを練ってみてください。
移転のお祝いに「フェイクグリーン」はいかが?
いま、祝い花にフェイクグリーンを選ぶ人が増えています。
近年の技術革新により、近くで見ても、触っても本物と遜色ないフェイクグリーンが増えてきたことが、祝い花に使われる理由の1つ。また、本物の花ではないため、枯れる心配もメンテナンスも不要な手軽さからも、支持を集めています。
フェイクグリーンなら、移転祝いが終わったあとも、オフィスや店舗にそのまま飾りつづけられます。アレンジから鉢植えまで、多彩なバリエーションも人気の秘密。ぜひ、フェイクグリーンの祝い花をチェックしてみてください。
まとめ
移転の祝い花は、移転の前日から2週間以内を目安に贈ります。定番の胡蝶蘭やアレンジメントのほか、フェイクグリーンもおすすめの選択肢。受け取った相手の手を煩わせず、ずっと美しさを楽しめます。
「祝い花は生花であるべき」との声もありますが、いつかは枯れること、業務に忙しい中メンテナンスの手間がかかることを考えると、効率的とはいえません。相手の時間を奪わず、華やぎを演出し続けられるフェイクグリーンも、祝い花として立派な選択肢です。
品質が良く、お手頃価格のフェイクグリーンの祝い花なら、「& GARDEN」にご相談ください。ご予算や贈り先との関係に合わせた、最高の祝い花をご提案いたします。