祝い花は、お祝いの気持ちを込めて贈る花です。開店や開業、移転、また人生の節目など、おめでたい場面に、文字通り華を添える役割を果たします。
しかし、いざ贈るとなると、種類が多く迷ってしまうもの。どのような祝い花なら相手と場面にふさわしいかと、悩んでしまう人も少なくないでしょう。
今回は祝い花に関して、贈る前に知っておきたい基本を完全解説します。祝い花の種類から選び方、おすすめの花、さらに注意点まで網羅しました。相手に「これは嬉しいね!」と言ってもらえる、そんな祝い花を選ぶヒントが満載です。最後までご覧ください。
祝い花の種類

祝い花といっても、その種類は多彩です。相手の立場や贈る場面にふさわしい祝い花を選べるよう、まずは祝い花の種類を押さえましょう。
一般的に利用される祝い花は、6種類あります。
スタンド花
スタンド花は、自立する丈夫なスタンド(脚)に、大きくアレンジされたフラワーギフトです。ショップや飲食店がオープンする際によく用いられており、店先に華やぎを加えます。
大きさがあるため、通常のアレンジメントでは出せない、ボリュームと豪華さを演出できる点が魅力。
一般的なサイズは、幅90センチ×高さ180センチ程度です。
アレンジメント
アレンジメントは、かごなどの器に吸水性のスポンジを入れ、花を生けたタイプです。器のまま贈れ、受け取った人はそのまま飾って楽しめます。スタンドより小ぶりで、小さな花材も使用可能。好みに合わせて、さまざまなバリエーションを創り出せます。
特殊な処理を施し、生花のような美しさを長期間保てるブリザーブドフラワーでつくられたアレンジメントも、人気があります。
ちなみに、スポンジを使わずに花材をまとめ上げると、花束になります。
胡蝶蘭
真っ白な花が連なるさまが美しい胡蝶蘭は、「幸福が飛んでくる」という花言葉を持っており、お祝いの定番といえる花です。
鉢植えのまま、相手に贈ります。通常のフラワーアレンジメントは1週間ほどで花が枯れますが、胡蝶蘭はもちが良い花。1か月~3か月程度は、美しい状態がキープします。丁寧にメンテナンスすると、数十年に渡って株を生かせる場合もあります。
バルーンフラワー
近年、SNSで人気が高まっている祝い花が、バルーンフラワーです。バルーンフラワーには2つのタイプがあります。
- 透明な風船の中に、花を入れたタイプ
- アレンジメントを風船で飾りつけるタイプ
どちらもバルーンを使っている点が特徴です。バルーンがアレンジメントの華やかさを増し、お祝いにふさわしい彩を添えてくれます。カジュアルな雰囲気が出るため、個人の方のお祝いにも最適です。
鉢植え観葉植物
鉢植えの観葉植物も、祝い花として利用されます。「インテリアになり、空間に癒しを与えてくれる」「花より長持ちし、祝い事が終わったあとも楽しめる」などのメリットがあります。
また、風水では、観葉植物は「悪い気」を取り除き、「良い気」を取り入れてくれるとされています。門出を祝い、ますますの発展を祈りたい場に、ふさわしい贈り物です。
スワッグ
スワッグは、ドライフラワーを使ったインテリアグッズです。お手入れが不要で、ナチュラルかつおしゃれな雰囲気を演出してくれると、人気が高まっています。
技術が発展し、いまのドライフラワーは、生花に近い色合いや素材感が味わえるようになりました。さまざまな花材を組み合わせ、受け取る人の好みに合わせて作れるのも、スワッグの魅力です。
お祝いの場面では、できるだけ大ぶりなスワッグがおすすめ。リボンやレースをあしらうと、華やかさがアップします。
祝い花を贈りたい場面

祝い花は、名前のとおり「お祝い」の場面に贈ります。一般的に、どのような場面で利用されているのか見てみましょう。祝い花を贈るべきかどうか判断する、一助としてください。
ビジネスシーン
ビジネスのお付き合いでは、以下のような場面で祝い花が利用されます。
- 開業、開店
- 移転
- 周年記念
- 昇進、就任 など
船出を祝い、ますますの活躍・発展を祈る気持ちを、祝い花に込めて贈りましょう。
個人のお付き合い
個人の間でも、祝い花はよく使われています。
- 結婚
- 出産
- 誕生日
- 長寿祝 など
祝い花は、贈る人の気持ちを代弁するツールです。概念にとらわれず、「祝いたい」と感じたときに贈って構いません。
注意!祝い花を贈るべきではない場面

祝い花を贈るべきではない、注意したい場面もあります。
たとえば、オフィスの移転は、一般的には祝い花を贈るべき場面です。ただし、業務縮小や業績悪化に伴う移転には、祝い花はふさわしくありません。
また、祝い花はおめでたい席に似合うよう、華やかな雰囲気にまとめられています。弔事には祝い花ではなく、お悔やみ用の花を送るようにしてください。
祝い花の相場

祝い花の相場は、送り主の立場や場面、相手との関係性などによって変わります。その前提を踏まえつつ、一般的な相場を解説します。
法人
法人から法人に贈る花の相場は、1万5,000円~5万円程度です。
開店祝によく使われるスタンドの祝い花は、1段が1万5,000円、2段で3万円が相場。胡蝶蘭は、法人でよく選ばれる5本立ちで3万円~、7本立ちは5万円~です。
個人
個人から個人に贈る花なら、1万円~2万円程度がよく選ばれます。
スタンドの祝い花も、コンパクトなものを選べば1万円程度で作成可能。アレンジメントは、1万円~1万5,000円ほどで依頼すると、かなり大ぶりで華やかなものが完成します。
胡蝶蘭は、1~2本立ちで7千円ほど。3本立ちなら、1万円程度で用意できます。
祝い花に添える立札・メッセージカードの書き方

祝い花には、贈り主を明示する立て札やメッセージカードを添えます。立札やメッセージカードに書くべき内容や、書き方を押さえておきましょう。
立札の書き方例
立札は、スタンドや大ぶりなアレンジメントに添える札です。縦書き・横書きのどちらでもかまいません。相手の事務所やショップの入り口に飾られた祝い花は、取引先等も目にします。自社や自分の名前をアピールする、格好の場としても役立ちます。
立札は、花を用意するショップが手配します。祝い花のサイズとバランスが取れるよう、小ぶりなものは紙製、大ぶりのものは木目ボードが用いられます。
立札に書く内容は、以下の通りです。
- 頭書き(主旨。「祝 開店」など)
- 贈り主の企業名、部署・役職、名前
メッセージカードの書き方例
メッセージカードは、個人が贈る祝い花に適しています。贈り主の名前に添えて、100文字程度のメッセージを入れられます。お祝いの気持ちを言葉に込め、祝い花に託して相手に届けます。
法人からの祝い花に、メッセージカードを添えても構いません。「担当者として、ずっと開店を応援してきた」「企業や役職を超えた、個人同士の付き合いがあった」という場合は、立札よりメッセージカードのほうが、気持ちが伝わりやすいでしょう。
祝い花にふさわしい花の種類

胡蝶蘭は祝い花の”鉄板”ともいえる花ですが、実はほかにも祝い花にふさわしい花がさまざまあります。
花の色や雰囲気、花言葉に注目しながら、祝い花に活用したい花を5種類紹介します。
ガーベラ
いかにも花らしい佇まいが絵になる、ガーベラ。カラフルな色のバリエーションも、人気の秘密です。ぱっと咲いたさまは、明るい未来に向かう元気を与えてくれます。
ガーベラの花言葉は「感謝」「常に前進」など。まさにお祝いにふさわしい花です。
華やかに仕上げたいときは赤やピンクのガーベラを。フレッシュな印象にしたいときは、黄色や白色、水色のガーベラがおすすめです。
ラナンキュラス
ラナンキュラスは、何層にも重なった華やかな花びらの中に、黒い花芯がある大ぶりの花です。直径10センチを超えるものも多く、ひと際大きな存在感を放ちます。ピンク色の印象が強い花ですが、黄色や紫、赤のラナンキュラスもあります。品種改良によって生まれたピンク×グリーン、グリーン×白、オレンジ×グリーンといったバイカラーも人気です。
ラナンキュラスの花言葉は、「とても魅力的」「晴れやかな魅力」「光輝」など。門出を祝うにふさわしい花といって良いでしょう。
アネモネ
アネモネは、神話や伝説でもよく見られる、由緒ある花です。シンプルな形ながら、青紫色や赤色の鮮やかな色合いが、独特の存在感を放ちます。一重咲きから八重咲まで、形状も豊富。切り花の素材として、とても人気があります。
近年はショッキングピンクやパステルカラーなど、カラーバリエーションも増えています。
ネガティブな花言葉を持つ色もあるため、祝い花に使う際は花言葉に注意してください。アネモネのおすすめの色と花言葉は、以下の通りです。
- 白色:「真実」「希望」「期待」
- 青色:「固い誓い」
- ピンク色:「希望」
ミモザ
アカシア科の植物で、春先に鮮やかな黄色い花を咲かせるミモザ。おしゃれで“映える”花として、SNSでも人気を集めています。
花は小さな房状で、なびくようにふわふわしているのが特徴。アレンジメントに加えると、全体を引き立ててくれます。ミモザだけで作ったスワッグも、とても素敵なインテリアグッズになります。
花言葉は「優雅」「友情」。イタリアでは「感謝」、フランスでは「思いやり」という言葉も持っているそうです。大切な人へ気持ちを伝える花として、世界中で愛されています。
グラジオラス
グラジオラスはアヤメ科の植物です。すっと伸びた茎から、いくつも咲き誇る花がとても華やか。花はトランペットのような形状をしており、存在感も抜群です。大ぶりで見た目のインパクトが大きいため、スタンドや大きなアレンジメントにおすすめです。
カラーバリエーションも豊富です。赤やピンク、黄色、白色、紫、さらに2色がグラデーション状になったものもあります。
グラジオラスの花言葉は、「勝利」。ただし、「密会」「用心」「熱愛」などもあります。場面を選ぶ花言葉もあるため、フラワーショップに相談しながら選ぶと良いでしょう。
祝い花を贈る際の注意点

おめでたい場に華やぎを添え、共に喜ぶ気持ちを贈る祝い花。そんな祝い花を贈る際に、気をつけたいポイントを5つ解説します。
選び方や贈り方を間違え、せっかくの門出を台無しにしないよう、一つひとつに気を配りましょう。
花言葉を調べ、場面に合った花を選ぶ
先に「祝い花にふさわしい花の種類」でも紹介したとおり、花にはそれぞれ固有の花言葉があります。花の雰囲気や色だけで選ぶと、祝い花にふさわしくない花言葉が紛れ込むおそれがあります。
祝い花をオーダーする際は、お祝いの席に贈る花であることを、明瞭にショップに伝えましょう。とくに大切な相手に贈る花は、「花言葉にも注意してほしい」旨添えると、安心です。
香りの強い花・花粉が飛び散る花は避ける
祝い花では、香りの強い花や花粉が飛び散る花を避けるのが慣例です。花の香りが苦手な人、花粉が嫌な人もいることへの配慮からです。
ユリや香りの強いバラは、できれば避けたい花の代表例。ただ、フェイクグリーンを選べば、香りや花粉の心配をせずに、好きな花を組み合わせられます。
贈るタイミングに配慮する
開店や移転に合わせた祝い花は、当日ではなく「前日に」届くよう手配します。当日は何かとバタバタするもの。受け取っている手間がないかもしれません。また、せっかくの祝い花を飾るスペースを確保してもらえなければ、もっとも注目を集める当日に、日の目を見ずに終わってしまいます。
誕生日や長寿祝い、記念日などのお祝いなら、当日渡して構いません。大切な場面が終わったあとに、心をこめて渡しましょう。
メッセージカードに忌み言葉を入れない
祝い花にメッセージを添える際は、忌み言葉(避けるべき言葉)を入れないよう、文面に配慮します。祝い花にふさわしくない言葉の例は、以下の通りです。
- 去る
- 失う
- 傾く
- 落ちる
- 負ける
- 枯れる
- 倒れる
- 燃える など
メッセージカードに書ける言葉は、100文字程度です。短いからこそ、本質や本当の気持ちがあらわれやすいともいえます。
相手を真剣に祝う気持ちを持ち、適切な言葉を選んで書くようにしましょう。
アレンジの「色」に注意する
祝い花にタブーとされる色があることも、押さえておきましょう。
「フレッシュな印象にしたい」と、白くまとめたアレンジはNGです。弔事を連想させるというのが理由です。また、白色をベースに、淡い紫や水色だけを加えたアレンジも、やはり弔事のイメージから抜けきれません。
祝い花は赤や黄色、ピンクなど、華やかな色合いを選ぶようにしましょう。
あわせて、菊も仏さまに供える花のイメージがあります。祝い花に菊を入れないよう、気をつけてください。
祝い花にフェイクグリーンという選択肢もおすすめ

長らく「祝い花=生花」とされてきましたが、生花と見分けがつかないほど精巧なフェイクグリーンが登場し、祝い花にも利用され始めています。
祝い花にフェイクグリーンを使うメリットと、注意点を解説します。
フェイクグリーンのメリット
フェイクグリーンのメリットは、なんといってもお手入れいらずで美しさが維持できる点でしょう。
胡蝶蘭や観葉植物も、本物を贈ると、少なからずメンテナンスの手間を相手にかけさせることになります。日あたりや温度に気を配り、水や肥料を適切に与え、ときに植え替えをしなければ、いつしか枯れてしまいます。
また、アレンジメントやスタンドは、数日後には処分の手間が発生します。開店や移転で業務が忙しい中、大量の花を処分するのは容易ではありません。
こうした「手間」を、すべて省けるのがフェイクグリーンです。アレンジメントも大きな観葉植物も、置いておくだけで空間に癒しを与えてくれます。
フェイクグリーンの注意点
祝い花にフェイクグリーンを使う際は、品質に注意してください。生花に負けず劣らずの品質を持つ、素晴らしいフェイクグリーンを選ぶことが大切です。
フェイクグリーンの品質は、価格に比例します。ためしに、100円ショップやホームセンターで、手頃価格のフェイクグリーンを手にとってみてください。「いかにも偽物」と感じる人も多いはずです。
一方、フェイクグリーン専門店等が扱う高品質なフェイクグリーンは、遠目で見ても、さらに近くで見ても、本物と見分けがつかないほど精巧にできています。実際に触っても、本物ではと感じるクオリティのものもあるほどです。
フェイクグリーンの祝い花は、ぜひ専門店でお求めください。贈られた人が驚き喜び、そしてずっと飾ってもらえる品質の良いものが手に入ります。
まとめ
開店や移転、門出など、節目を祝う気持ちが込められた、祝い花。受け取る側に「本当にありがたい」と思ってもらえるよう、カラーや使う花、形式などに十分配慮して選びましょう。
祝い花には一般的に生花が使われますが、近年はお手入れ不要のフェイクグリーンも人気です。美しさがいつまでも続くフェイクグリーンやアレンジメントなら、見るたびに送り主を思い出してもらえるかもしれません。
ハイクオリティなフェイクグリーンの祝い花なら、「& GARDEN」にご相談ください。お相手の立場や場面、ご予算に合わせた、最高の祝い花をご提案いたします。