賃貸物件に追い焚きの後付けは可能?費用相場とメリット・デメリット、解決策を解説!

寒い冬はとくに、お風呂に入っている間にも、どんどんお湯が冷めていきます。あたたかいお湯を足しながら、「追い焚き機能があったらなあ」と考える人も多いのではないでしょうか。

では、追い焚き機能のない賃貸物件に、追い焚き機能を後付けすることはできるのでしょうか。今回は、賃貸物件への追い焚き機能の後付け可否を解説します。あわせて、追い焚き機能を後付けするメリットやデメリット、工事費用の相場も解説しました。

あたたかいお風呂にゆったり入れる、その日のために。ぜひ、参考にしてください。

「追い焚き機能」とは

そもそも、追い焚きはどのような機能なのでしょうか。追い焚きの仕組みを、あらためて解説します。

追い焚きできる仕組み

追い焚きとは、浴槽のお湯が冷めた際、あたため直せる機能です。浴槽のお湯を循環させ、温度を上げてから浴槽に戻す仕組みです。水やお湯を追加する必要がなく、水道代の節約につながります。

追い焚き機能は、お湯を出す給湯器と風呂釜、浴槽の3か所を配管でつないでいます。浴槽のお湯が冷めたとき、風呂釜でわかし直し、あたたかいお湯を浴槽に供給します。

追い焚き機能の種類

追い焚き機能には、ポンプ循環式と自然循環式の2種類があります。

  • ポンプ循環式:浴槽に開いた穴が1つ(1つ穴タイプ)
  • 自然循環式:浴槽に開いた穴が2つ(2つ穴タイプ)

ポンプ循環式・自然循環式とも、浴槽のお湯を吸い込んであたため直す構造は、同じです。1つ穴の場合は1つの穴で吸水と排水を行い、2つ穴の場合は下の穴からお湯を吸い込み、上の穴からあたため直したお湯を排出します。

近年は、ポンプ循環式が主流です。

追い焚きは賃貸の物件探しでも人気の条件

追い焚き機能は、賃貸物件探しでも、多くの人がこだわる人気の条件です。不動産ポータルサイト「suumo」を運営する株式会社リクルートが実施した「2022年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」でも、2013年度から2022年度まで一貫して「満足度の高い設備、次引っ越す際に欲しい設備」に追い焚き機能が入っています。

※ 参照:2022年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)|株式会社リクルート

ただ、実際には追い焚き機能が備え付けられている賃貸物件数は、多くはありません。追い焚き機能がある物件は競争率が高く、かつ家賃も高めになる傾向があります。

追い焚き機能は賃貸物件に後付け可能

いま住んでいる賃貸物件に追い焚き機能がない場合、後付けは可能なのでしょうか。答えは「できる」です。ただし、オーナーとの交渉が必要で、費用負担が発生する可能性もあります。

賃貸物件に追い焚き機能を後付けする方法を、具体的に解説します。

物件をリフォームして付ける

リフォームによって、賃貸物件への追い焚き機能は後付けできます。本格的な追い焚き機能がほしい場合は、こちらの方法を選択することになるでしょう。

ただし、専門業者による工事が発生するため、入居者の一存では決断できません。管理会社

を通してオーナーに相談が必要です。また、追い焚き機能の追加には、1戸あたり20?100万円の費用がかかります。費用の負担割合について、オーナーから相談される可能性がある点も押さえておきましょう。

追い焚きグッズを利用する

本格的な追い焚き機能ではなく、簡易的な追い焚き機能のついたグッズを利用する方法もあります。

追い焚きグッズを使えば、保温も可能。給湯器が故障した際にも活用できます。ネット通販では、さまざまな追い焚きグッズが販売されています。チェックしてみてください。

なお、追い焚きグッズは、簡易的な追い焚き機能だと考えましょう。お湯が適温になるまでに時間がかかるものもあります。

また、温度調節機能やタイマー機能付きの追い焚きグッズの方が、実用性高め。安全性能にも注目して選んでください。

<追い焚きグッズを選ぶポイント>

  • あたためるスピードを重視するなら、ワット数が大きなものを
  • 節約を意識するなら、節電機能付きの製品を
  • お湯をきれいに保ちたいなら、ろ過機能付きを
  • 安全性を優先するなら、自動通電ストップ機能付きを

賃貸物件に追い焚きを後付けする工事のやり方

参考までに、賃貸物件に追い焚き機能のリフォーム工事を施す場合のやり方と、費用の相場を見ておきましょう。

追い焚き機能の後付け工事のやり方は3タイプ

賃貸物件に追い焚き機能を後付けする工事は、浴室や物件のタイプによって3タイプに分けられます。

工事内容詳細補足
配管工事+給湯器交換追い焚き機能のある給湯器を設置浴槽と給湯器をつなぐ配管を工事給湯器の設置場所によっては、外壁への穴あけやクロスの張り替えが必要になる
浴槽交換+配管工事+給湯器交換上記工事に加え、浴槽を交換する浴槽への配管用穴あけが難しい場合、浴槽ごと交換になる
ユニットバスごと交換部分的な工事や入れ替えができないユニットバスは、丸ごとの交換が必要サイズやグレードによって費用が異なる

なお、費用の目安は以下のとおりです。物件や工事業者によって費用は変動するため、あくまで参考値としてご覧ください。

  • 給湯器のみの交換:20万~40万円
  • 配管工事:30万~60万円
  • 浴槽の交換:30万~60万円
  • ユニットバスの交換:80万~100万円

賃貸物件に追い焚き機能を後付けするメリット

賃貸物件に追い焚き機能を後付けすると得られるメリットを、3つ解説します。

お風呂のお湯を適温に保てる

追い焚き機能がないお風呂は、お湯張り後、徐々に温度が下がっていきます。お湯を張ってからテレビを見ていた、家事をしていた、ぐずる子どもをあやしていた…、そんな間にもお湯が冷めていってしまいます。

追い焚き機能があれば、時間を気にせず、いつでも適温のお風呂に入れる点はメリットでしょう。ボタンを押すだけで適温になるまであたため直してくれるほか、一定の温度に保ってくれる機能がついたタイプもあります。

水道代の節約になる

追い焚き機能がないお風呂では、入浴のたびに新しくお湯を張らなければなりません。家族で住んでおり、入浴のタイミングが人によって異なる場合は、1日に何度もお湯を張り直さなければならない場合もあるでしょう。これでは、水道代も心配です。

追い焚き機能があれば、残り湯をあたため直して入浴できます。毎回、給湯機から新しいお湯を張らずに済み、水道代が節約できます。

便利機能の活用で、お風呂管理が楽になる

追い焚きには、自動でお湯張りを完了してくれる「オート湯張り」機能や、指定量のお湯が溜まったら自動で留まるストップ機能がついています。

さらに、一定の湯量を保ってくれる「たし湯機能」がついた、フルオートと呼ばれるタイプもあります。

追い焚きの便利な機能を活用すれば、「浴室に行って蛇口をひねる」「適量になったタイミングを見定める」「蛇口を止める」といった一連の行動が不要になり、お湯張りがとても楽になります。

賃貸物件に追い焚き機能を後付けする前に考えたいデメリット

魅力がたくさんの追い焚き機能ですが、注意したいデメリットもあります。賃貸物件に追い焚き機能を付ける前に考えたい、デメリットを3つ解説します。

配管掃除が必要になる

追い焚き機能がついた浴室は、定期的に「配管の掃除」が必要です。配管には入浴中のお湯に溶けだした皮脂汚れや水アカ、入浴剤などが付着して、汚れが溜まります。また、お湯を長時間溜めたままにしておくと、汚れをエサに、雑菌も繁殖します。

毎日のお風呂掃除に加えて、配管内の汚れと雑菌を除去するため、月に1回程度の洗浄メンテナンスが必要です。配管洗浄は市販の洗浄剤を使って行います。

使えない入浴剤がある

追い焚き機能を付けると、配管内をお湯が循環します。このとき、塩分(塩化ナトリウム)を含む入浴剤を使っていると、成分が配管を傷めてしまうおそれがあります。

また、白濁する入浴剤に含まれる酸化チタン、温泉成分等も、避けた方が良いでしょう。

好みの入浴剤が追い焚き機能に合わない場合もあるため、入浴剤をよく使う人は、事前にチェックしておきましょう。

<追い焚き機能で使わない方が良い入浴剤>

  • 塩分、硫黄、塩化ナトリウムが含まれている
    バスソルトもNG
  • 炭酸カルシウム、酸化チタンが含まれている
  • 固形物、食物が含まれている入浴料

追い焚き機能のお風呂でも使える入浴剤には、「追い焚き機能OK」の表記が書かれている場合があります。また、上記の成分を含まない入浴剤は、追い焚きのお風呂で使っても構いません。

工事費と立ち合いが発生する

賃貸物件への追い焚き機能後付け工事は、前述のとおり費用がかかります。入居者が希望して追い焚き機能を後付けする場合、費用を入居者が負担しなければならない可能性も、押さえておきましょう。

また、工事には立ち合いが必要です。日程の折り合いを付けなければならず、忙しい人にとっては負担となるでしょう。

賃貸物件への追い焚き後付けは、現実的ではない

追い焚き機能の後付けは、不可能ではありません。

ただ、オーナーの同意が必要である点が、第一の関門です。オーナーにしてみれば、物件の1戸だけに追い焚き機能を付けると、他の入居者から性能差にクレームが入るおそれもあります。全戸に追い焚き機能の後付けを検討しない限り、首を縦に振ることは期待できないかもしれません。

また、原状回復の問題もあります。賃貸物件は、退去時に原状回復しなければなりませんが、本格的な工事の原状回復は不可能。判断が難しい問題です。

いま、追い焚き機能がない物件に入居中で、追い焚き機能がほしいと思う場合は、簡易的な追い焚きグッズを活用してみてください。あるいは、追い焚き機能付きの物件への引っ越しを検討した方が、問題を早く解決できます。

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まとめ

賃貸物件の追い焚きは、物件選びの条件にする人も多い人気の機能です。ただ、追い焚き機能のある物件は絶対数が少なく、競争率が高くなる傾向があります。

「入居中の物件に、追い焚き機能を後付けすればいい」と考えたくなるかもしれませんが、不可能ではないものの、現実的な選択肢とはいえません。いますぐ追い焚き機能がほしい人は、追い焚きグッズの活用がおすすめです。

また、追い焚き機能のある物件に引っ越せば、生活のQOL(Quality of life・生活の質)は一気に上がるでしょう。都内湾岸エリアの追い焚き機能付き物件なら、スタートライングループにお任せください。希望条件に合う物件を探し、ご紹介します。