賃貸物件に水槽を置きたい!注意点とおすすめの生きものをわかりやすく解説!

何気なく行ったペットショップで、水草のあいだを優雅に泳ぐ魚。その姿に癒され、「魚、いいなあ」と思った経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

「賃貸物件だがペットを飼いたい」、そんな方におすすめなのが、水槽で飼える生きものです。

水槽があれば、水棲生物を飼育したり、水草を育てるアクアリウムを楽しんだりもできます。

今回は、 賃貸物件で水槽を置きたいと考えている人に向けて、注意点やおすすめの生きもの、メンテナンスのコツなどを解説します。

トラブルなく、安心して始めるヒントとして、最後までご覧ください。

「ペット禁止」に魚が含まれる契約もある

まず、お住まいの賃貸物件で水棲生物を飼育できるかどうか、が重要です。

賃貸借契約の「ペット禁止」は、犬や猫、鳥を飼育できないというのが一般的な解釈ですが、ここに「水棲生物」を含めるケースもまれにあります。

水槽を購入する前に、まず賃貸借契約書の内容を細かくチェックしてください。

ペット禁止の物件の場合

飼育が禁止されるペットの種類に水棲生物が含まれるかどうか、管理会社や不動産会社に確認しましょう。

「わざわざ確認して、ダメといわれたくない」「黙って飼えばわからない」と思う気持ちはわかりますが、万一にも水漏れ等のトラブルが起きないとは限りません。

本来、禁止されている事項を許可なく行いトラブルになった場合、原状回復費用を請求されたり、退去を求められたりするおそれもあります。

ペット禁止ではない物件の場合

ペット禁止ではない物件であれば、水槽を置き、水棲生物を飼育しても構いません。

ただ、水槽には犬や猫、鳥などにはない、別の注意点があります。

水槽を置く場合の注意点を、次章にまとめました。ひとつずつチェックし、トラブルにならないよう注意して配置しましょう。

賃貸物件に水槽を置く際の注意点

「どんな水槽を置いて、何の魚を入れよう」「水草のレイアウトはどうしよう」と、ワクワクする気持ちを、いったん落ち着かせ、水槽を置く際の注意点を見てみましょう。

賃貸物件に水槽を置く注意点は、全部で5つあります。

1. 水槽の重量

ホームセンターやペットショップでよく見かける、45センチ程度までの水槽であれば、あまり気にする必要はありません。

大型水槽や、専用の設備が必要になる熱帯魚を飼育する際は、水槽の重量に注意が必要な項目です。一般的な集合住宅の床耐荷重は、180kg/m2です。

これは建築基準法で定められている耐荷重で、どの集合住宅も最低限、備えていると考えて構いません。

一方、熱帯魚が美しく映える90cmサイズの水槽は、総重量が265kg程度に達します。

水の重量だけで180kgほどになり、水槽の重さ、濾過(ろか)設備の重さなどをすべて考慮すると、265kgを超える試算になります。これでは、水槽を置くだけで床の耐荷重を超過してしまいます。

水槽は思っている以上に重くなると考え、できるだけ軽量化を図るようにしましょう。賃貸物件には、コンパクトな水槽で、濾過設備なく飼育できる魚をおすすめします。

記事の後半で、賃貸物件におすすめの水棲生物を紹介しています。あわせてご覧ください。

水槽の置き場所

水槽は、室内に設置しましょう。室内に置くべき理由は、2つあります。

屋外は水温・水質管理が難しいため

水棲生物の飼育でもっとも大切なポイントは、水温と水質の管理です。屋外に置かれた水槽は、夏場は水温が上がりすぎ、反対に冬は冷えすぎるおそれがあります。

また、水道がある場所から遠いと、水の交換に手間がかかり、水質管理がおろそかになるかもしれません。

水槽は直射日光の当たらない屋内で、できれば水道に近い場所への設置をおすすめします。

共用部やベランダ・バルコニーは避難経路になるため

集合住宅の共用部やベランダ・バルコニーは、有事の際に避難経路となります。水槽が避難を妨げたり、エアレーション(ポンプ)のコードが足に絡まったりする危険も考えられます。

そもそも、消防法で、共用部に入居者の私物を置くことは禁止されています。ベランダやバルコニーも共用部として扱われるため、水槽の設置は避けてください。

水漏れ・漏電対策

水槽を置く際は、水漏れと漏電に注意が必要です。水槽からの水漏れ以外にも、「交換用に置いておいたバケツの水をこぼしてしまった」といった事故も考えられます。

また、エアレーションの管が外れ、毛細血管現象によって水が漏れだしたり、地震が起きて水がこぼれたりと、さまざまな事態が想定できます。

こぼれた水がコンセントにかかって漏電し、火災が起きるリスクもゼロではありません。

水槽の水漏れを防ぐおもな対策は、次の5つです。

  • 経年劣化した水槽を使わない
  • 水槽は水平で安定した場所に置く
  • 水槽を水で満たさない(5~10センチほど、上をあける)
  • センサーで水位をチェックできる機器を設置する
  • 水槽より高い位置にある電源を使う

あわせて、水漏れトラブルに備えた保険への加入もおすすめです。自動車保険や生命保険に付帯している「個人賠償責任保険」でカバーできる可能性が高いため、チェックしてみてください。

騒音対策

室内に置く水槽には、エアレーションが欠かせません。エアレーションは電動ポンプを使っており、ポンプの音が近隣に響いて騒音トラブルを起こす可能性があります。

深夜や早朝など、時間帯を問わず使う機器のため、騒音への配慮も忘れないようにしましょう。

ポンプの部分がどこかに当たると、振動で音が増幅します。ポンプと置く面とのあいだに、緩衝材を敷く、吊り下げて使うといった工夫で音を軽減させると良いでしょう。

地震対策

水槽の地震対策のポイントは、2つあります。

割れにくい素材の水槽を選ぶ

水槽にはガラス製とアクリル製があります。ガラス製のほうが透明度が高く、フチもなくスタイリッシュで人気があります。ただ、ガラス製は割れるリスクと無縁ではいられません。

アクリル製の水槽は、落としてもガラスのように粉々にはなりません。安全性を考えると、アクリル製をおすすめします。

水槽の重量を大きくする

重い水槽のほうが倒れにくいのは事実です。水槽の中に重りをいれたり、レイアウトに本物の石を使ったりして、水槽自体の重さを増やす対策もおすすめです。

ただし、床の耐荷重の問題も出てきます。総重量が耐荷重を超えないよう、水槽そのものの大きさを小さくする、水量を少なめにするといった対策との併用も検討してみてください。

賃貸物件の水槽におすすめの生きもの

安全に水槽を設置する準備が整ったら、いよいよ生きもの選びに移りましょう。賃貸物件の水槽におすすめの生きものを、5種類紹介します。

メダカ・金魚

まずは定番の、メダカや金魚を検討する人も多いのではないでしょうか。

メダカや金魚は日本の気候に適応した魚です。簡易な設備でも飼育でき、丈夫で飼育しやすいといえます。

観賞魚としての歴史も長く、さまざまな種類が生み出されています。カラフルな個体も多く、水槽を華やかにいろどります。

過密飼育に弱いため、適正飼育数を守りましょう。飼育の基本は「1リットル=体長1cmの魚が1匹」です。1つの水槽で飼える飼育数は、金魚の方が少なくなります。

ベタ

ベタは、タイ原産の淡水魚です。酸素を空気中から直接吸うという、珍しい呼吸方法を持っています。ときどき、水面に口を出してブクブクと呼吸する様子は、ベタならではの光景です。

エアレーションがなくても飼育できるため、賃貸物件向きの魚といえるでしょう。

長く、美しいひれを持つオスが、とくに人気です。他のオスベタを見ると、ひれを広げて攻撃しようとします。激しくケンカする場合もあるため、オスは単独飼育が基本です。

実はジャンプ力もある魚で、5cm程度の高さなら飛び出してしまうこともあります。ベタを飼う水槽は蓋をするか、水面から水槽のふちまでの高さを十分に確保しましょう。

暖かい地域原産の魚であり、望ましい水温は26~27度です。寒い時期はヒーターを使

い、水温を維持しましょう。

アカヒレ

アカヒレは、コイの仲間です。中国原産で、アジアの気候に適応しています。見た目が可愛らしく、しかも丈夫で飼育しやすいとあって、初心者の方にも人気があります。

アカヒレという名前のとおり、赤いひれが特徴的。体の中央を青色のラインがとおっており、水槽でも存在感を放ちます。温厚な性格の個体が多いといわれますが、オスはひれを広げる威嚇行動をとることもあります。

飼育に適した温度は10度~27度と幅広く、一般的な賃貸物件でも十分に飼育可能です。ただ、あまりに水温が低くなると、白点病という病気にかかりやすくなります。できるだけ、15度以上を保つようにしましょう。

カメ

水槽があれば、魚以外の水棲生物も飼育できます。カメは人慣れしやすく、ペットを飼っているという実感がわきやすい生きものです。おすすめのカメは、次の3種類です。

  • クサガメ
  • ミシシッピニオイガメ
  • キボシイシガメ

いずれもペットショップで入手できます。ただし、カメは寿命が長い生きものです。終生飼育できるかどうか、十分に考えてから購入してください。飼えなくなったからといって、自然に放してはいけません。

食べ残しや糞尿で水が汚れやすいため、頻繁な水換えが必要になる点は押さえておきましょう。

ちなみに、大型の水槽を置く場所があれば、リクガメも飼育できます。リクガメは水槽を水で満たす必要がなく、床の耐荷重を気にせず飼えるカメです。

オカヤドカリ

オカヤドカリは、沖縄県や小笠原諸島に生息する、陸上で生きるヤドカリです。殻を背負ってちょこちょこ動き回る姿や、ハサミを使って上手に餌を食べる姿が愛らしいと、実は人気が高いペットです。

オカヤドカリは、水槽に適度に湿らせた底砂を入れ、流木など登れるレイアウトをつくって飼育します。飲み水があれば暮らせるため、水槽の重量が大きくなりすぎる懸念賀ありません。

雑食性でなんでも食べますが、飼育下ではザリガニの餌が推奨されます。

引っ越し用の貝殻も入れておきましょう。ときどき、好みの貝殻に引っ越す様子が観察できるかもしれません。

熱帯の生きものであり、温度と湿度の維持が重要です。温度は22度~28度、湿度が50~90%の環境を維持してください。

また、オカヤドカリは好奇心旺盛で、ちょっとした隙間から脱走します。水槽には必ず蓋をしておきましょう。

賃貸物件の水槽設置は、メンテナンスまで考慮しよう

水槽を置くと、水換えの必要性が出てきます。水換えでは、古い水を取り出して捨て、新しい水を入れるという作業をします。

入れ替える新しい水は、水道水を直接入れてはいけません。水道水に含まれるカルキは、水棲生物によくない影響を与える可能性があるためです。バケツに汲み、屋外に出してカルキを飛ばすか、カルキ抜き剤を使ってから水槽に入れてください。

数時間~半日程度は室内に置き、水槽の水と温度を合わせてから入れる配慮も大切です。

水を捨てる場所、水を汲み置く場所、水換えや掃除などのメンテナンスまで想定し、設置の可否や設置場所を検討しましょう。

まとめ

水槽での水棲生物飼育は、賃貸物件でもはじめやすいペットのひとつです。生きものを入れず、水草のレイアウトと成長を楽しむアクアリウムという楽しみ方もあります。

水槽は「重量」「水漏れ」「地震」の3つの対策が肝要です。水棲生物を大切に長く飼うために、そして近隣とのトラブル防止のためにも、十分に対策してから始めましょう。

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