川沿いの家は湿気が心配?リスク・デメリットと湿気対策、後悔しない選び方を解説

川沿いの家は、川沿いではない地域の家と比べると、やはり湿気は多めです。川からは常に水が蒸発しており、周辺に広がっているためです。

ただ、海沿いの家と違って、水蒸気に塩分は含まれない点は、理解しておきましょう。湿気こそ高めではあるものの、潮風によって住宅の外壁や設備の劣化が進む懸念はありません。

川沿いの家には、川沿いならではの魅力やメリットがあります。特徴に気をつけて住めば、とても快適な暮らしが手に入るでしょう。川沿いの家が気になる人必見のメリットや注意点、湿気対策、選び方などを解説します。

川沿いの家の魅力・メリット

川沿いの環境は「リバーフロント」と呼ばれ、近年人気が高まっています。開発・整備され、住みやすさに優れたエリアも見られるようになりました。

川沿いの家ならではの魅力やメリットには、どのようなものがあるでしょうか。

日当たり・風通しに優れている

川に面しているため、遮るものがなく、日当たり・風通しに優れている点が、川沿いの家の魅力です。

都市部では、高層階であっても十分に採光できない家も見られます。しかし、川沿いなら、高度が低い冬場でも、太陽光が家に差し込みます。観葉植物を育てたり、思い切り布団を干したりと、日当たりの良い家ならではの暮らしが手に入ります。

また、遮蔽物がない環境ならではの、自然な空気の流れが感じられる点も、川沿いの家の魅力です。川の表面で冷やされた空気が常に循環し、ヒートアイランド現象が起きにくいというメリットもあります。

眺望が素晴らしい

視界を遮るものがない環境は、眺望の素晴らしさも約束してくれます。

「窓を開けたら、隣家の壁」「目の前の道路の交通量が多く、カーテンを開けられない」といった懸念は、川沿いの家では不要。朝日や青空、夕日を眺めながら、毎日気持ちよく過ごせるはずです。

「広い空に大輪の花を咲かせる花火を堪能したい」という家探しの希望も、川沿いなら十分に可能です。

自然が身近に感じられる

川沿いは、暮らしやすいように自然が整備されている地域がよく見られます。河川敷が公園や緑地、並木になっている場所なら、日常の中で自然を身近に感じられます。

家にいながら、四季折々の自然の移り変わりを感じられる日々は、想像以上に私たちの心を癒してくれるでしょう。

散歩やスポーツがしやすい

堤防の上部がウォーキングやサイクリング用に整備されていたり、河川敷にスポーツ広場があったりと、身体を動かす環境が整っている場所が多いのも、川沿いの家の魅力です。

ウォーキングやランニングが趣味の人にはもちろん、これからスポーツを始めようか考えている人にも、よいきっかけとなることでしょう。散歩に向いた環境は、犬を飼っている人にも最適です。

川沿いの家を選ぶ注意点・デメリット

川沿いの家に引っ越す前に、知っておきたい注意点やデメリットもあります。3つの観点から、見てみましょう。

虫の発生リスク

水場があり、適度に自然も残る川沿いの環境は、虫たちにとっても格好の住みかです。蚊やコバエ、ユスリカ、羽虫などの小さな虫が、窓を開けた時に入ってくる可能性があります。また、ゴキブリやカメムシなどの害虫も懸念が残るポイントです。

虫をできるだけ遠ざけたいときは、高層階の家を選ぶのがおすすめ。湿気は低層にたまりやすいため、低層のほうが虫に悩まされる可能性があります。

また、虫が多い日中や夕方は窓を開けず、換気は早朝に済ませるようにすると、室内への侵入を防げます。網戸のネットを、目の細かいものに交換しても良いでしょう。

水害のリスク

川沿いは、洪水や氾濫などの水害と無縁ではいられません。いまは、いつ・どこで線状降水帯や集中豪雨が起きるか、わからない時代。自然災害の発生そのものを防ぐことは難しいため、災害リスクができるだけ少ない立地を選びましょう。

川沿いの家探しでは、ハザードマップ(国土交通省)の確認が必須です。ハザードマップを見れば想定される災害リスクが一目瞭然。安全な場所を見つけやすくなります。

あわせて、市町村の災害対策、万一の際の避難経路や避難場所も確認しておきましょう。

地盤が緩いリスク

川沿いの土地は沖積低地(ちゅうせきていち)と呼ばれます。河川の堆積作用によって、形成された土地という意味です。

平坦な地形が広がる場所が多く、住宅のほか工場や交通網の整備にも適しています。ただ、土地の低さと形成過程ゆえに、地盤が緩い懸念があるのも確かです。

川沿いの家探しでは、ハザードマップと同時に、地盤の強固さも確認すると良いでしょう。たとえば東京都は、液状化しやすい土地を可視化できるツールを公開しています。

東京の液状化予測図 令和5年度改訂版|東京都建設局

土地の状況は、自治体が把握しています。ツールの活用、自治体への問い合わせ等を踏まえ、できるだけ安全な場所に建つ家を探すと良いでしょう。

不動産会社も、家の立地条件を加味した家探しを手伝ってくれます。都内のウォーターフロント物件に強いスタートライングループにも、ぜひご相談ください。

【賃貸向け】家の湿気が気になるときの対策5選

人間が快適に感じる湿度は、40〜60%といわれます。室内の湿度が60%を超えると、じめじめと感じる人が増えます。

この章では、川沿いの家の湿気におすすめの対策を、5つ紹介します。どれも簡単な方法です。川沿いの家に住みたいが、湿気が気になっている人は、ぜひ参考にしてください。

高層階の部屋を選ぶ

水蒸気は重さがあるため、下の方に集まります。川沿いの物件も、高層階のほうが低層階より湿度は低め。湿気が気になる場合は、高層階の家を選ぶと良いでしょう。

高層階の物件は風通しもよく、日もよく当たり、湿気がたまりにくい環境が揃っています。

窓を開けて換気する

換気は、もっとも手っ取り早く室内の湿度を下げる方法です。季節・天候にかかわらず、定期的に窓を開けて換気してみてください。

湿度が気になるときにおすすめの換気頻度は、1〜2時間に1度、1回5分程度です。窓を2か所以上開け、空気の通り道を作ると、換気効率が上がります。留守中の湿度対策には、エアコンの除湿機能を使いましょう。

除湿機・除湿剤を利用する

除湿機能に特化した除湿機や、置くだけの除湿剤を取り入れるのも良い方法です。「室内干しした洗濯物の周辺だけ」「クローゼットの中だけ」と、ピンポイントで湿度を下げたいときにも、とても便利です。

除湿機は、使いたいスペースに合った機種を選んでください。可能な限り、ドアや窓を閉めて使うと、除湿効率がアップします。また、除湿方式もさまざまです。簡単にまとめましたので、参考にしてください。

<除湿機の除湿方式と特徴>

コンプレッサー式デシカント式ハイブリッド式
除湿のメカニズム部屋の空気を冷やし、水分をタンクに貯める乾燥剤に湿度を吸収させるコンプレッサー式とデシカント式の組み合わせ
夏の除湿
冬の除湿
消費電力小さめ大きめヒーター使用時は大きめ
本体サイズやや大きめ小さめやや大きめ

サーキュレーターを使う

サーキュレーターは、室内の空気を循環させます。直線的に強い風を起こし、風の通り道を創り出します。

窓を開けての換気も、サーキュレーターを併用すれば、空気が強制的に流れ、効率が高まります。

サーキュレーター使用のポイントは、「サーキュレーターを窓に向ける」ことです。サーキュレーターの後部から室内の空気が吸い込まれて窓の外に流れ、湿度をどんどん逃がしてくれます。

サーキュレーターとエアコンの併用もおすすめです。空気の循環によって室内の温度・湿度差が少なくなり、電気代の節約にも貢献します。

湿度を室内に溜めない生活を心がける

生活のちょっとした工夫で、室内の湿度上昇は回避できます。いくつか、例を紹介しましょう。

◎ 洗濯物は室内干ししない

→ 室内干ししたいときは、除湿機を使う

◎ お風呂はフタをする

→ お湯をためた浴槽には、かならずフタをする

◎ 窓の結露はこまめに拭き取る

→ たまった水滴が、湿度を上昇させる。カビの原因にもなる

◎ 観葉植物を置かない

→ 実は、湿度を上げる要因。置きたい場合は、窓辺など空気が流れる場所に

◎ 水蒸気の出ない暖房器具を選ぶ

→ ファンヒーターは湿度を上げるものもある

後悔しない川沿いの家の選び方

川沿いの家には、川沿いならではの魅力が詰まっています。しかし、魅力だけで選んだ結果、住み始めてから「こんなはずでは」と後悔する展開は避けたいもの。

この章では、川沿いの家選びで後悔しないために、押さえたいポイントを解説します。

災害リスク(ハザードマップ)

先に解説した通り、川沿いの家は水害リスクと無縁ではいられません。希望の家の立地を把握したら、かならずハザードマップで、水害リスクの種類と程度を確認しておきましょう。

国土交通省が後悔している「重ねるハザードマップ」は、災害の種類を選ぶと、その程度を地図上に色分けして表示してくれます。

下の地図は、東京都心部の洪水・内水リスクを示したものです。ピンク色が濃いほど、リスクが高いことを示します。

ハザードマップ|国土交通省

なお、水深が80センチメートル程度(大人の股下ほど)になると歩きにくくなり、水深1m(大人の腰ほど)でほとんど歩けなくなるといわれています。

あわせて、地盤に懸念がある地域なら、地盤強化工事がされているかも重要なポイントです。地盤強化工事の有無については、担当の不動産会社に問い合わせてみてください。

虫対策

川沿いの家で、虫被害をゼロにするのは、難しい問題です。ただ、できるだけ虫が出にくい物件探しは可能です。

まず、高層階を選ぶこと。高層になるほど、虫の侵入は難しくなります。

また、スケジュールが合えば、冬場に内見してみてください。冬は虫も休む季節で、被害が出にくいシーズンです。もし、冬の内見で虫が気になる物件があったら、夏は相当虫に悩まされると考えられます。

廊下や共用部も、よくチェックしてください。すみに、ゴマのような黒い粒が散乱してはいないでしょうか。もしあれば、それは虫の糞かもしれません。糞が多ければ、それだけ虫が侵入している可能性があります。

先に入居している家のドアや網戸、玄関に、虫よけ剤がたくさん設置されているかどうかも、判断基準になるでしょう。

周辺環境

同じ川沿いの家でも、整備状況によって暮らしやすさは大きく変わります。

手つかずの湿地帯や藪(やぶ)、草むらなどが放置された場所は、湿気も虫もわきやすく、「こんなはずでは」との後悔要因になりかねません。一方、しっかり整備された川沿いは環境が良く、あわせて商業施設等もそろっており、快適な暮らしが手に入る可能性があります。

湿気を増やしそうな要素が周辺にないか、丁寧にチェックしましょう。実際の暮らしをイメージし、自分に必要なものが揃っているかも見ておくと後悔が少なくなります。

まとめ

川沿いの家は、眺望や日当たりの良さといった魅力があります。ただ、湿気や虫、水害リスクなど、注意しなければならないポイントがあるのも事実。川沿いの家探しは、いつもより慎重に進めるようにしてください。

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